初冬の水辺~基町ポップラ通り

2007/12/09

●日 時:12月9日(日) 
●内 容:黄葉のヤングポップラ、親ポップラの症状

▲桜とニセアカシアは葉を落としても、ヤングポップラはまだまだ黄葉、カモがお散歩する水辺

2月の週末、カモの一群が川から護岸に飛び上がり、ポップラ通りをお散歩します。そして冬ピクニックを楽しむカップルがいました。 
デートの場所にここを選ぶなんてとっても粋です。彼らはカモを眺め、追いかけ歓声を上げます。あたりはすっかり初冬。 
美しい紅葉だった桜は枝ばかりの姿に変身、ニセアカシアも葉を落とし寒々としています。常緑のクスノキ(市営住宅の西側にある、ちなみに被爆樹木)を除いては、ヤングポップラが黄色の葉をパタパタ、ひらひらさせて、元気いっぱいです。まだ落葉していないところが若さの証拠だそうですよ。これはMさんに教えてもらったことです。 
そのポップラの父ことMさんから、ポップラ健康診断の報告です。

ポップラチェック~ポップラ健康診断―2008年春の芽吹きで判断―

戦後、基町の川岸から街の復興を静かに見続けてきた木。2004年9月の台風に倒れたポップラの現状と治療経過を大まかに説明します。 
●2005年は腐朽菌の増大を懸念して、あえて肥料を与えず(雑草にも栄養が行き届きポップラとの生存競争が起こるから)、殺虫・殺菌を中心とした手当てをしました。 
●2005年7月、3本の主幹のうち川側の幹を切断しました。この幹は台風に倒れる前から枯れ枝が多く樹勢もよくなく、倒木後、体力のないポップラには苦しい状態でした。手術は6時間にも及びました。枯損部を切除すると、幼少のころの傷?(コンクリートで被覆されていた)が発見されました。 
●2006年からは剪定・施肥を加えた治療に移行し、柵の中はネコの排せつ場になっていたので、ネットを張って養生する処置も行ってきました。 
●ところで2006年は、春季の多雨による影響もあって腐朽部位が拡大してしまい、ポップラ2世の選定を検討していくことになりました。そこで2007年春、ちっちゃくても親に似て、堂々とした美しい樹形をもつ1本のベビーポップラ(柵の中に生えていたひこばえ)を選び、条件のよい場所に移し変えました。 
●親ポップラの方は2007年の芽吹きが芳しくありませんでした。皆さまもお気づきと思いますが、夏の市民野外上映会のころから葉が黄色ぽく大きさも通常の半分ほどで、上部の枝の枯れと幹の空洞化が進み、急激に衰弱しました。 
●なんとかがんばってほしいという思いでしたが、2007年夏の異常な猛暑やお盆以降の乾燥が重なって、さらに状態が悪化。現在、幹肌に生気はなく、ほとんどの部分が枯れていて樹勢を回復する様子は見られません。 
●もう少し命をつないでほしいと望みを持ちたいけれど、迎えるべき時期が来たのかもしれません。最終的には来年4月第3週目ころに芽吹くかどうかが判定時期となります。元気な2世(いまや身長が約4m、ヤングポップラに成長中)の姿が対照的で複雑な思いがします。 

PPCはMさんの指導のもと、無理な延命治療はしない、自然に任せて最期まで見守り、送り出そうという方針を立てて、手当てを行ってきました。 
とうとう…来春、別れと出会いの季節に世代交代かもしれません。 
ポプラの寿命は人間とほぼ同じ。だから私たちは、必ず別れの場面に遭遇するのです。 
多くの人の心に残る、気になる木「ポップラ」。伐採後は切り株を残して、ヤングポップラを見守るベンチにするなど、ポップラ・モニュメントを考えています。 
皆さまはどのように思われますか? 


▲2004年7月19日、ポップラ身長測定
25.8m! この風景はヤングポップラに引き継がれます。



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